リーチの戦い(又はリーチ陥落、リーチ攻防戦)は、コヴナント戦争中UNSC、コヴナント双方で最も被害の大きかった戦闘の一つであった。この戦闘は2552年8月のコヴナントの侵攻によって始まった。UNSC防衛軍の宇宙・地上を問わぬ激しい防衛戦闘にも関わらず、守備隊はほぼ全滅し惑星はガラス化され、完全に放棄された。
背景[]
シグマ・オクタヌスIVの戦いで大敗北を喫したコヴナントはこの戦闘に参加していたUNSC艦の1隻に追跡装置を付着させ、リーチの位置を特定した。しかし、彼らはずっと前からフォアランナー人工品によってリーチの位置は特定できていた。それが人類の重要拠点であったという事実は侵攻するまで把握できていなかったようではある。
この戦闘が発生したのはシグマ・オクタヌスIVでの戦闘の約2ヵ月後。
大コヴナント艦隊は人工品を回収した上で人間の存在を浄化するために、Reachに派遣される。大量の犠牲を出しつつも、リーチ地表部、イプシロン・エリダニー星系を構成する宇宙空間をほぼ制圧し、ハイランド山脈とキャッスル基地(人工品の位置)を除いて惑星をガラス化してしまった。
コヴナントが回収した断片はごくわずかなものであり、残りはUNSCの手によってリーチから持ち出され、コヴナントの追撃が迫ると完全に破壊した[4]。
戦闘[]
異変[]
2552年7月23日、惑星リーチのビシェグラードの通信所から通信が完全に途絶した。それとほぼ時を同じくしてビシェグラードの開拓者の大半がマナサスに脱出した。
また、マナサス宇宙港でもフライト・キャンセルが相次ぎ、リーチ最大の都市ケソンでも陸軍部隊が緊急配備されるなど、リーチ各地でUNSC軍が何らかの異常を察知したものとみられる。 UNSC上層部は、ビジェグラード近隣にいた部隊を直ちに派遣させるが、全ての部隊との通信が途絶した。
次いで7月24日午前7時頃にUNSC陸軍ホランド大佐がノーブル・チームを派遣、事態の調査を命じた。彼らが現地に降り立ち、そこで見たものは、本来なら居るはずのないコヴナントの大群であった。
スパルタン部隊の力でビシェグラード通信施設の奪還には成功したが多くの住民と兵士が犠牲となった。
7月26日、ONIソード基地にコヴナント艦が来襲、本格的侵攻が始まる。一時的な基地防衛には成功するが、二十数日後に再び攻撃に晒される事となる。
ヴィエリー地区のLZ[]
8月に入り、コヴナント軍はヴィエリー地区のスルドックリッジにLZを設置し守りを固め始めた。UNSC側はこれに対してスパルタンチームの偵察隊を送り込んだ。そこで何があるのかを調査するために。
偵察チームはLZを守るように設置された対空砲等を発見し、退却する。
翌8月12日午前には各地で集められた情報を元にコヴナント軍の侵略が激しいヴィエリー地域に対しUNSC陸軍、海兵隊、スパルタン部隊を投入する大規模攻勢作戦を実施した。作戦はUNSC軍側にとってある程度順調に進行していった。
ところが、ONIがマークしていたスパイア1をスパルタンチームが無力化し、フリゲートによるMACガン射撃で破壊すると形勢が一気に逆転してしまった。 スパイア1は巨大空母を隠すためのテレポーターか何かであり、破壊されたとともに現れたこの巨大空母は臆することなく現地に攻め込んできたUNSC軍を叩き潰していった。
アッパーカット作戦と燃え上がるリーチ[]
コヴナント軍巨大空母を沈めるためにノーブルチームが当日発案した作戦は、即座に実行に移されることとなった。
2552年8月14日、セイバー実験基地に赴いたノーブルは、同時に侵略軍の大軍が基地の上空を我が物顔で飛行しているのを目撃した。コヴナントに攻め込まれつつあったこの基地を、ノーブルチームは一時的ではあれ奪還した。
奪還と同時にセイバーを射出、リーチ軌道上での激しいドッグファイトとその後のコルベット侵入作戦をこなして行った。多大なる犠牲を払ったUNSCは目標である巨大空母とそれを運ぶためだけに利用したコヴナント軍コルベットを撃沈することに成功し、安心できるかと思われた。
それは間違いであった。巨大空母の残骸がリーチに降り注ごうとしていたとき、援軍の艦隊が多数軌道上に姿を見せた。それはUNSC軍のものではなく、コヴナント艦隊の大群であった。
わずか数日で戦況が圧倒的不利になったUNSCは都市部への攻撃が始まったことを受けて、襲撃された都市部での避難作戦を段階的に実施した。大抵は多くの犠牲を出しながらも成功していたが・・・。 2552年8月23日、ニューアレクサンドリアがコヴナント艦隊に空襲される。また、都市部を一掃するために凶暴なブルートの軍隊を街中に投下、兵士・市民の差別も無く虐殺を始める。
この悲惨な避難作戦も、ノーブルチームらの力で成功に導いた。
市民が退去した後の都市部ではUNSC軍とコヴナント軍による壮絶な市街戦が展開していた。
最後の敵の援軍と決死の防衛戦闘[]
- “ガンマ ステーション、こちらフェルミオン RSO。スリップスペースの未確認情報あり。”— 遠隔スキャン前哨地フェミリオン
- “そんなはずはない。情報源を再確認しろ。”— リーチ ステーション ガンマ
2552年8月30日、星系において突如謎のスリップスペースが観測された。その数はおよそ300以上。遠隔スキャン前哨地 フェルミオンから緊急報告が入った。 当時のフェルミオン指揮官はマックロブCPOであった。彼が発した緊急報告はFLEETCOMに送られた。直後にステーションは機密データ保護のため自爆した。
314隻のコヴナント艦隊がイプシロン・エリダニー星系に侵入したのを知ったローランド・フリーモント提督は"file/bravo-tango-beta-five"をジェリコ星系とタンタルス星系、イプシロン・エリダニ星系に所在した全艦と全ステーションに送信し惑星リーチに集結するよう命じた。53隻の艦艇が遅れる中、UNSC ピラー オブ オータムも星系内部にいた為に命令を受信、本隊と合流を図ったがコヴナント艦隊と遭遇する。
100隻のUNSC艦隊が侵略開始直後にリーチ軌道上に存在しており、それらの艦艇は直ちに反撃を開始した。
軌道上の戦闘[]
- “軌道上の防衛網に多数の衝撃音を確認。”— 遠隔スキャン前哨地フェミリオン
- “間違いありません。奴らです!”— UNSCオペレータ
- “ウィンター非常事態を宣言する!全部隊出撃態勢に入れ!”— UNSC士官
コヴナント艦隊314隻はリーチ軌道上に達し、1回目の斉射をかけた。この攻撃で、3つのステーションが破壊されたが他に目立った損害はなかった。UNSC防衛艦隊も直ちに反撃を開始、軌道上に敷設された核機雷とMACの一斉射撃により多くのコヴナント艦が破壊された。
しかし、直後に2回目の斉射がかけられ、多くのUNSC艦が撃破された。更にコヴナントは星系から一時撤退する際、自爆攻撃を行って"スーパーMAC軌道防衛グリット"を1基破壊した。撤退後、コヴナント超大型空母が出現し、UNSC ミノタウロスを瞬時に破壊した。そして軌道上から多数の降下艇を発進させ、地上に部隊を投下していった。この空母はさらにUNSC ムサシとUNSC ヘロドトスを破壊したが、後にオータムによって撃沈された。
地上戦闘[]
- “数千のグラント、ジャッカルとエリートが戦車と攻撃機の支援を受けて接近中だ!奴らは我々の防衛線を突破した!後退しろ!もしこの通信を聞いている者がいるならば直ちに兵器庫に集結せよ!”— UNSC海兵隊[5]
コヴナント軍の総攻撃が始まり、軌道防衛線が崩壊した。そして地上にもコヴナント軍が殺到した。彼らの狙いは軌道防衛グリットの電力供給源である発電所であった。そこにはスパルタンII部隊と海兵隊が守備に就いていた。この防衛戦闘中にペリカン ブラボー1が墜落し4名のスパルタンが死亡し大勢の兵士が負傷する。
スパルタン チャーリーカンパニーはウィットコム提督とNOVA爆弾の試作品を確保するためUNSCのとある基地に移動した。二つの目標を発見したが運悪く軌道防衛施設にコヴナント軍が来襲したので已む無く基地を爆破して撤退した。
また、地上戦中に激しい混乱が発生し、航空部隊による友軍への誤爆や誤射が相次ぎ、敵軍を局地的に抑えることこそできたが多くの兵士を失うといった事態が相次いだ。
スパルタンの他の部隊の一つは3機のバンシーを強奪しヒューリー戦術核をもってコヴナント巡洋艦を粉砕した。
1名は後に1万名にも及ぶコヴナント地上軍の総攻撃とコヴナント巡洋艦の艦砲射撃を受けて戦死した。
リーチ・ステーション・ガンマでの戦闘[]
宇宙空間でまだ戦闘が継続していた時、UNSCのAI"ドップラー"がリーチ・ステーション・ガンマにドッキングしていたUNSC シカンファレンスのオンボードに蓄積されていた重要情報破壊に失敗した。
コヴナントはこの事態を察知し、レンジャー部隊を侵入させる。ドップラーはコール議定書違反を報告し、UNSC ピラー オブ オータムから援軍が送り込まれた。援軍は任務を達成したがその過程で援軍のスパルタンIIの1名が戦死し1名が重傷を負った。また、施設にて包囲されていた海兵隊(ジョンソン上級曹長、ジェンキンス兵卒、ビゼンティ、オブライエン)は救出され、オータムに合流する。
重傷を負ったスパルタンは直ちにクリオチューブに入れられた。
UNSC ピラー オブ オータムは戦闘後、アスゾードの艦船解体所に併設されたドライドックに入渠し、ノーブル・チームが運搬するパッケージを受け取る。
そして、コヴナントの襲撃から逃れるようにして脱出し、UNSC ヘルメスを連れてスリップスペースに侵入しインストレーション04に向かう。多数のコヴナント艦艇が惑星をガラス化する中、12隻のコヴナント艦隊が追跡のためにスリップスペースに入る。そして、Halo事件に巻き込まれることになった。
タイムライン[]
2552年7月23日:[]
- 0832時:ビシェグラードに治安部隊集結、並びにUNSC陸軍部隊の派遣始まる。
- 2057時:マナサス・スペース・ポート、フライト・キャンセル相次ぐ。
2552年7月24日:[]
2552年7月26日:[]
- 1128時:ONIソード基地にコヴナント艦が侵攻する。最終的にノーブル・チームの救援によって侵略軍は壊滅し、コルベットも軌道からの砲撃で撃沈する。戦闘後にハルゼイ博士にビシェグラードで起こった事の説明と回収したデータの引き渡しを行う。
2552年8月11日:[]
- 2630時:スルドック・リッジのコヴナント占拠エリアに向けて偵察チームが派遣される。コヴナントの侵略軍集結ポイントを偵察した。
2552年8月12日:[]
- 0800時:スルドック・リッジにおいてUNSCの大規模攻勢始まる。UNSC グラフトンが至近距離からMAC攻撃を行い、ターゲット1つの制圧に成功するが直後にコヴナント巨大空母によって撃沈される。
- 2007時:ショウ-フジカワ光速機関を利用した軌道作戦を立案される。大半のUNSC戦闘艦隊が呼び戻され、惑星リーチへ急行する。到着予定が48時間後。
2552年8月14日:[]
- 1248時:セイバー発射施設にてUNSCの作戦が実行される。作戦中にジョージ052がコヴナント巨大空母を巻き添えに戦死。作戦の完了直後にコヴナント大艦隊、リーチ軌道上に出現する。
- 同時刻:コヴナント、ソード基地に再び侵攻する。
- ????時:UNSC艦隊の一部がリーチ軌道上に到着し、軌道上の戦闘が本格的に始まる。
2552年8月18日:[]
- この頃よりニューアレクサンドリアに対する、コヴナントの攻撃が始まる。
2552年8月23日:[]
- 1534時:ニュー・アレクサンドリア市にコヴナント艦隊が来襲、市民の退避が始まるが大勢の市民が死亡する。ノーブル6は退避作戦の支援を行う。
- 1857時:ニュー・アレクサンドリア市ダウンタウンにてノーブル・チームが交戦する。また、ノーブル2がスナイパーに狙撃され戦死。同時刻にコヴナント軍が都市をガラス化する。
2552年8月29日:[]
- 2616時:ONI:ソード基地にてノーブル・チームが爆破任務に従事、後にハルゼイ博士によるダミーの指令であると知らされ、ハルゼイ博士の解析完了までラボを防衛する。AIコルタナをノーブル6に託した後、ハルセイ博士はジュンに護衛されて基地から脱出。残余がオータムに向かう。
2552年8月30日:[]
- 0447時:遠隔スキャン前哨地フェルミオンは、侵入するコヴナント艦隊を発見。緊急電がFLEETCOMに発信される。前哨地はコヴナントが接近している為コール議定書に基づき爆破される。
- 0500時:314隻のコヴナント艦隊は、星系の端でスリップスペースから離脱。
- 0517時:ローランド・フリーモント提督(艦隊司令部、第1セクター指揮官)は、リーチ、ジェリコとタンタロス星系に存在する全UNSC艦艇とステーションに対し緊急電を発する。受信した全艦と全ステーションはコール・プロトコルに基づいてラリーポイントZULUに結集するため行動を開始。
- 0534時:コヴナント艦隊、UNSCが部隊を再編する前にスリップスペースへ脱出を計る人類の艦船を片っ端から撃沈する。コヴナント軍空母はUNSC ピラー オブ オータムを目標として攻撃するも逆に撃沈された。
- 0545時:コヴナント艦隊による正面攻撃の開始。コヴナント側は、リーチ又はリーチ周辺のステーションから出港して来るUNSC艦隊のMAC一斉射撃を受け3分の1が瞬時に轟沈。直後にUNSC軍がかつて遭遇、交戦したことが無いコヴナント軍巨大戦闘艦が軌道上に出現(キース曰く超大型空母と称する巨大艦)しUNSC艦艇多数を撃沈。(空母1、駆逐艦2)
- 0558時:ステーション・ガンマのAI"ドップラー"がUNSC シカンファレンスの重要データ破壊に失敗しFLEETCOMに優先度の高い電文を送信。コヴナント侵入ソフトウェアはこの不注意を検出する。コヴナント側はシカンファレンスのNAVデータを入手するために小部隊を進攻させる。
- 0616時:スパルタン部隊がUNSC ピラー オブ オータムより送り込まれる。MACシステムを維持、稼働させる為に惑星リーチ地上に存在する発電施設を守備する部隊(レッドチーム)を組織。スパルタン117、スパルタン058とスパルタンIIジェームスらはブルーチームを組織。データベース入手を阻止するためにステーション・ガンマに侵入。ジェームスは戦死。ジョンソン、オブライエンらを救出する。
- 0620時:コヴナント艦隊は降下艇を射出後、星系から一時的に撤退。UNSC艦隊は撤退するコヴナント艦艇に対し攻撃、大半を撃沈するが放出された数百機の降下艇はリーチに向かい降下。
- 0621時:降下艇が着陸し兵器庫を制圧。コヴナント艦隊が星系に再び戻ってくる。コヴナント艦隊は150隻+の戦力であった。1個艦隊がUNSC艦を攻撃。MACの射撃が全て弾かれる。コヴナント側はリーチ地上戦を終結させるために大量の地上軍を投下するべく艦隊は降下を開始する。UNSCは注意を引くべく50隻+の艦隊を攻撃する。しかし、着陸阻止にはいたらなかった。戦力が不足していた。コヴナント超大型空母がUNSC艦隊を攻撃、多数を撃沈する。
- 0631時:レッドチームが攻撃される。レッドチーム生存者は損傷したペリカンから脱出。結果、4名が死亡し6名が重傷を負う。
- 0637時:軌道上の任務を終えたスパルタン部隊がオータムに戻る。スパルタン117、ジョンソンらとスパルタン058(重傷)が搭乗。
- 0647時:オータム、戦闘後にアスゾード ドライドックに入渠する。
- 0649時:レッドチームは、ODG A-331施設周辺で防衛線を形成。
- 0711時:着陸していたコヴナント巡洋艦が離陸を開始するもスパルタン部隊が核兵器を設置し破壊。スパルタン-029が戦死。
- 0720時:ODG A-331施設は軌道上からの激しい砲爆撃にさらされる中、スパルタンが脱出に成功する。直後に(ガラス化)崩壊する。それによって軌道上の防衛施設は全てオフライン状態と化す。反撃不能の状態でプラズマ魚雷の攻撃を受け、全て破壊される。UNSC軍は惑星リーチを放棄し残存艦艇は散り散りとなって撤退。コヴナント艦隊は惑星の焦土化と調査のために艦隊を分け、5隻の艦隊がUNSC残存艦艇撃滅のため行動を開始し、焦土化のための艦隊が到着する。そして、惑星は壊滅した。
- 1652時:UNSC ピラー オブ オータムがノーブル・チーム残余と合流し重要データを確保。ノーブル6の決死の抵抗でオータムに迫っていたコヴナント巡洋艦を撃沈する。生存者は全員オータムに収容される。オータムは安全確保後アスゾード・ドライドックより脱出、アルファ・ヘイローへ脱出する。これを1個艦隊12隻が追撃。
- 2000時:ノーブル6がアスゾード 艦船解体所付近で最後の抵抗を行い死亡。複数のエリートによって殺害される。
ギャラリー[]
UNSC軍[]
宇宙戦力[] |
人員[]海軍
海兵隊
不明 |
登場・言及した作品[]
- Halo 2
- Halo 3: ODST (Mentioned only)
- Halo: Reach
- Halo:リーチの陥落 (First appearance)
- Halo: The Flood (Mentioned only)
- Halo: First Strike
- Halo:オニキスの亡霊 (Mentioned only)
- Halo: Evolutions - Essential Tales of the Halo Universe
- Dirt (Mentioned only)
- The Return (Mentioned only)
- Halo:レジェンズ
- i love bees
情報源[]
- ↑ Halo: The Fall of Reach, page 240
- ↑ Halo: Ghosts of Onyx, page 173
- ↑ Bungie.net
- ↑ Halo: First Strike
- ↑ Halo: The Fall of Reach page 300
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